査読プロセス

査読プロセス

学術情報処理研究への投稿記事は以下の手順により査読されます.

査読審査

本誌はシングル・ブラインド方式の査読を採用しており,査読管理システムにより管理される.投稿記事は,査読委員により初回査読審査が行われる.審査結果は次のいずれかとなる:

  • 採録
  • 条件付き採録
  • 不採録

初回審査結果は,査読管理システムに連動した電子メールにて通知される.条件付採録の場合は,採録条件が提示される. 修正原稿 + 回答文の再投稿には,期限を指定する(概ね 4 週間以内). 期限内に再投稿がなされない場合は原則不採録とする. 修正原稿 + 回答文の再投稿は原則 1 回とする. 修正原稿 + 回答文については第二回査読審査を実施する.審査結果は,採録か不採録のいずれかとなり,査読管理システムに連動した電子メールにて通知される.

査読と再投稿時の取り下げ

著者は投稿記事を取り下げることができる.この場合,書面で編集委員会に申請し,承認を得なければならない.ただし,編集委員会において,二重投稿あるいは剽窃・盗用として調査中,もしくは判断された投稿記事は取り下げることができない.

査読者の選定

編集委員は,担当する投稿記事に対し,論文,招待論文,解説については 2 名,レターには 1 名の査読候補者を推薦する.査読候補者は,当該分野における専門知識,評判,他者からの推薦,および/または本誌における査読者としての経験に基づいて選出される.編集委員会は,査読候補者から査読者を承認し,査読を依頼する.

投稿記事の採否を審査するために,投稿記事の学術・技術分野を専門とする査読者によるピアレビューを行う.著者と同一組織に所属する者など利害関係を有する者は選任しない.

査読の査読者候補への打診は,論文投稿受付期間終了後 2 週間以内に行われる.査読者は,査読打診を受諾してから 4 週間以内に最初の査読レポートを提出することが求められる.これらのスケジュールに遅延が予想される場合は,できるだけ早く編集委員会に連絡する必要がある.

査読結果の取扱

編集委員は,査読者の判定原案およびコメントから総合的に判断し,判定案,著者に開示する査読結果,条件付き採録の場合は採録の条件を策定のうえ,編集委員会・委員長に報告する.

条件付き採録と判定された投稿記事に対する修正原稿が再投稿された場合,委員がその修正原稿および回答文から総合的に判断し,最終判定案を策定する.この際,初期投稿時の査読者に修正原稿等につ いての意見を照会することはさまたげない.

採録基準

投稿記事の採否の決定は編集委員会が行い,採否およびその理由を著者に通知する.論文誌の目的 に照らし合わせて新規性,有効性が認められる場合,採録とする.また,有効性が高い場合は,新規性が 相対的に不十分であっても採録の対象となる.投稿記事が本誌の掲載要件を満たし,出版された際に本 誌へ大きく貢献すると思われる場合,委員は本誌への掲載を推薦する.

本誌に掲載される投稿記事は次の場合に不採録とする.

  • AXIES で扱う分野と大きくかけ離れている
  • 本質的な点で誤りがある
  • 本質的な点が公知・既発表のものに含まれており,新規性ならびに有効性が不明確
  • 内容に信頼できる根拠が示されていない
  • 記述や議論の進め方などに不明確な点が多く,内容の把握が困難
  • 条件付採録で示した条件が満たされていない(修正原稿再投稿の場合のみ)
  • その他編集委員会が不適当と判定した場合

編集委員会において,二重投稿あるいは剽窃・盗用と判断された投稿記事は不採録となると共に,当該投稿記事の全著者に対して罰則が適用される.

本誌に掲載される論文の採録要件は以下の通りである.

  • 本誌の取り扱う領域内の,独自性のある内容であること. • 新規性および有効性があること.
    研究について技術的に厳密な記述がされていること.
  • 本誌の読者の関心が高い事項であること.
  • 当該分野において重要な発見・開発であること. 原稿が本誌の採録要件を満たしていない場合,委員は却下を勧告することがある.
訂正文と撤回

掲載された論文に誤りがあった場合,訂正文の発行により訂正する.訂正文には,出版物の科学的な公 正性,著者の評判,当該論文誌自体に重大な影響を与える誤りを記述する.掲載された論文の訂正を希望する著者は,担当委員または編集委員会に,誤りの詳細と変更後の内容を連絡する.共著者の間で訂 正をめぐって意見が一致しない場合,委員長は編集委員会もしくは当該記事担当査読者に助言を求める場合がある.訂正文が発行された場合,反対意見のある著者については本文にその旨が記載される.

掲載された論文が無効または信頼できない結果や結論を含んでいたり,他の場所で発表されていたり, 行動規範(研究倫理または出版倫理)を侵害している場合,撤回を行う.論文の撤回を要求する個人は, 懸念事項の詳細を編集委員会に連絡することを奨励する.委員長は調査を行い,当該論文の著者に連絡して回答を得る.共著者の間で撤回をめぐって意見が一致しない場合,委員長は編集委員会または当該 論文担当の査読者に助言を求める場合がある.論文が撤回された場合,反対意見のある著者については 本文にその旨が記載される.

訂正文または撤回についての決定は,委員長の単独の裁量で行われる.

編集委員会の独立

AXIES は,当該論文誌における全ての編集上の決定について編集委員会に完全かつ唯一の責任を認めている. AXIES は,根本的な編集行程の破綻がある場合を除き,編集上の決定には関与しない. 編集上の決定は,原稿の科学的な観点のみに基づいて行われ,本誌の他の利益とは完全に切り離され ている.著者の出版費用を支払う能力は,本誌への掲載採否には影響しない.

異議申し立て

不採録判定に対する異議申し立ては,著者は編集委員会に対して不採録決定日から 10 日以内に書面にて行うことができる.二重投稿ないしは剽窃の認定を受けた著者は編集委員会に対して,通知日から 14 日以内に限り書面により異議申し立てできる.編集委員会は,異議申し立てについて審議し,その結果 を著者に通知する.編集上の判断に誤りがあると思われる場合,著者は編集委員会に異議を申し立てることができる.異議申し立ては,著者が査読者や委員の誤解や誤りの詳細な証拠を提示した場合にのみ検討される.異議申し立ては委員長が慎重に検討し,最終決定を行う.判断,処理については COPE のガイドラインに従う.

査読における守秘義務
  • 本誌は投稿記事の機密性を保持する.また,委員は以下を遵守する.
  • 査読者からの合理的な要求がない限り,査読者の身元を開示しない.
  • 原稿やその内容について,原稿や査読に直接関与していない人と議論しない.
  • 原稿のデータや情報を自らの研究や出版物に利用しない.
  • 自分自身や他の人の利益のため,あるいは個人や組織に不利益を与えるために,査読の過程で得られた情報を利用しない.

ただし,二重投稿や剽窃の疑いが生じ,他学会等と連絡をとり調査を行う必要がある場合はその限りではない.

投稿記事著者としての委員

委員長を含む委員が,本誌に投稿記事を投稿した場合,自身は当該論文の査読プロセスから除外され る.オンラインの査読管理システムでは,著者として記事を閲覧することができるが,委員としては査読情 報等を参照することができないため,査読の機密性は保たれる.

本誌の委員が執筆した投稿記事は,他の原稿と同様のプロセスで査読と編集上の決定が行われる.

倫理違反の可能性がある場合の対応

本本誌は,倫理違反の申し立てがあった場合には,本誌の方針および COPE のガイドラインに従って対応する.

査読者の守秘義務

査読者は,投稿記事の査読や採否の審議等を通じて得た情報を,編集委員会に漏洩してはならず,ま たそれらの情報を利用した行為を行ってはならない.査読者は,その責任の一環として投稿記事の機密性 を常に保持することに同意する.また,査読者は投稿記事の査読依頼を受けることにより,以下を遵守する ことに同意したものとみなす.

  • 投稿記事の査読における自身の役割を明らかにしない.
  • 投稿記事の著者に身元を明かさない.
  • 査読に直接関与していない人と投稿記事やその内容について議論しない.
  • 委員の許可を事前に得ることなく,第三者(ポスドクや博士課程の学生を含む)を査読に参加させない.
  • 投稿記事のデータや情報を自身の研究や出版物に利用しない.
  • 自分自身や他の人の利益のため,あるいは個人や組織に不利益を与えるために,査読の過程で得られた情報を利用しない.
査読者の利益相反

利益相反は,査読者によって投稿記事の公平な評価に影響を及ぼす可能性のある状況が顕在する/認 識されている/潜在的する場合に生じる.具体的には,著者と個人的または職業上の関係がある,著者と同じテーマまたは競合するテーマで研究をしている,研究やその出版物に金銭的な利害関係がある,等が含まれる.

編集委員は,査読者を招聘する際に利益相反の回避に努めるが,潜在的なバイアスを必ずしも特定できるとは限らない.査読者は,利益相反がある場合は委員へ申告する必要があり,委員は申告に基づき最善の行動を決定する.